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ISBN978-4-88978-085-7 |
大津 昌昭著 |
四六判 230頁
定価 (本体1,500円+税) |
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ヤマドリがやってきた |
野生のヤマドリが私の肩にとまった。 不思議なヤマドリとの交流を綴った感動の物語。
おかしなことがあるものだ。 他人の話におどろくことはあったが、まさか自分にもそんなことが起こるとは思わなかった。 わが家にヤマドリがやってきた。 それが音楽を聴く、いっしょに散歩する、肩に乗る、頭にも乗ってくる・・・。
ここは奈良県大和高原、山添村的(まと)野(の)。標高四00メートル、布目川の川筋にある。 私は小学校の教師だったが、望みがかない、退職とともに町から山間のこの小さな村に移ってきた。 携帯電話は圏外、家からバス停まで徒歩三十分、奈良の町までバスで一時間というようなところだが、思ったとおり、いや、思っていた以上に自然が豊かで、うれしいことがいっぱいだ。
前の川をカワセミが飛び、ササユリやリンドウの花が咲く。 夏はホタルが舞い、夜は庭にタヌキやキツネもやって来る・・・。 人も心がやさしい。
よいところに居を定めることができたと、山の生活を楽しんでいたのだが、妻に先に逝かれてしまった。 一人になってすっかりさびしく暮らしていたある日、ちょうど一周忌を終えたばかりのこと、そのヤマドリがやってきたのだ。
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著者とヤマドリ |
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